<ほかの病気にかかった時、海外旅行時などの注意点>

ほかの病気や海外旅行時などの対処のしかたを理解していれば安心です。神戸市長田区の永田診療所がご紹介します。


糖尿病生活一こんな時どうする?

糖尿病患者さんは健康に過ごしておられますが、それでも時々風邪をひいたり、胃腸病になることがあります。また海外旅行や国内旅行に出かける機会が少なくありません。その都度かかりつけの医師に相談し指示を受けておられると思いますが、患者さんや家族のかたがその時の対処のしかたを理解していれば一層安心です。以下にその要点を紹介します。
飲みぐすりやインスリン注射をしている患者さんでは、くすりの種類、量、投与時間などが糖尿病の状態によって異なります。ふだんの治療を行えるあいだは問題はないのですが、患者さんの身体の状態は日々変わるわけです。特に健康感が失われる時には注意してください。

1.特に注意すべきは・・・?

次のような時には特に注意しましょう。
●急性熱性疾患(風邪、膀胱炎など)
●下痢
●けが
●ストレス
●海外旅行 時差調整

2.自己血糖測定が役立ちます!

風邪をひいたり、膀胱炎になったり、体温があがる状態ではインスリンが効きにくくなります。したがってふだんと同じようにインスリン注射をしていても血糖が高くなります。急性腸炎で下痢をして、食事を十分食べていなくても血糖が高くなります。また飲みぐすりで治療している場合でも、血糖が高くなり、一時インスリン注射に切りかえなければならないことがあります。
食欲がないという理由でインスリン注射をやめたり、飲みぐすりを飲まなかったら、一層血糖が高くなります。そのような時に自分で血糖を測定しておれば大変役立ちます。血糖測定器は小型になり操作も簡単で、測定値も正確です。特に毛細管現象を利用し、微量な血液で血糖が測定できますので、皆さんも試みてください。インスリン注射を行っている患者さんは自己血糖測定にかかる費用を健康保険で一部支払ってもらえます。このような血糖測定値が記録されておれば担当医師は正しくインスリン治療を指導できます。

3.海外旅行の注意点

糖尿病患者さんが海外旅行に出かける機会が増えました。インスリン注射を行っている患者さんも簡単に安全に旅行ができます。以下のことに注意しましょう。
●旅行前に担当医に相談しましょう。
糖尿病であることを証明してもらい、行っている治療法を記入してもらいましょう。
●患者カード(英文)を用意しましょう。日本糖尿病協会に見本があります。
●インスリン注射液、注射器は機内持ち込み手荷物に入れましょう。インスリン注射液は予定量以上に用意しましょう。外国で同じインスリン注射液を求めるのはなかなか難しいものです。
●低血糖用のペットシュガーやスナック類を機内に持ち込みましょう。必要なら機内でも求められます。
●インスリンを注射する時間は現地時間にあわせて主治医と相談して綿密に計画を立てておくと便利です。